バーチャルキャスト配信における画(え)作りのポイント

本投稿では動画圧縮に関しての簡単な解説と、動画圧縮技術の特性・視線の動きを考慮したバーチャルキャスト配信での画作りのポイントを解説します。
あくまでも初歩的な部分ですので、興味がある方は専門書を漁ってみてください。
なお、本投稿を参考にしたからといって人気の配信者になれるとうわけではありません。
あくまでも配信の持ち味を「台無しにする要素」を減らすための考え方となります。
「高級フランス料理も紙皿で出てきたら魅力は減るでしょうし、逆にスーパーのお惣菜もオシャレなお皿に出てきてら美味しそうに見える」ということです。

動画圧縮技術の基本

動画圧縮では人間の画像認識の限界などを利用して、映像の情報を削減しています。

  1. フレームレートを下げる
    単純に1秒あたりのコマ数を下げる対処です。多ければ多いほど、滑らかな動画になり圧縮の観点で言えば不利になります。

  2. 画面の解像度を下げる
    一番わかり易いのはこれでしょう。もともとフルハイビジョン画質(1920x1080)をハイビジョン(1280x720)に下げると情報量は極端に下がります。
    その代わり、画面の細かさが減るので画面内の小さな部分がわかりにくくなります。
    なお、人間の目は動きの激しい動画に対する解像度は一般的に「DVD(720 x 480)」画質と考えてられています。このため、画面のサイズを下げるという部分は意外と影響が少ないです。

  3. 色と明暗を落とす
    ちょっと分かりにくいところです。専門的な解説は省きますが、色の鮮やかさと明暗の階調を省略することにより、画面内の色に関する情報を減らし圧縮効率をあげます。
    これは人間の目が色の階調に対して「鈍い」ところを利用しています。

  4. 映像の動きのない部分を使い回す
    映像には全く変化のない部分や、変化の乏しい部分があります。そこを使い回すことにより、変化のあった部分の情報だけに削減し、映像を劇的に圧縮します。
    ただ、動きの激しい状態が長く続くと効率が悪くなり画質が悪くなる傾向があります。
    ※専門用語で「フレーム間予測」と言います。気になる人は調べてみましょう。

実際の圧縮に関する調整では、ビットレート・画面解像度・フレームレートを考慮することがほとんどになるかと思われます。潤沢な回線速度があれば、この手の調整も楽にはなるのですが、現実的には安定して高速通信ができる状況はあまり期待できません。

 

バーチャルキャストの配信と圧縮技術の関係

動画圧縮技術はもともと実際のカメラの映像、つまり実写からスタートしています。そのためバーチャルキャストのような情報量が少ない映像では有利・不利に働く部分があります。

  1. 画面の変化が少ない
    あれ?と思われるかもしれません。結構画面内で動いていますからね。
    ここでいう「変化」とは「光」です。
    実写では環境光は太陽だったりしますので、当然時間経過で変化しますし、太陽ではなかったとしても周囲の反射で撮影対象の明るさや影が変化します。
    バーチャルキャストでは「照明は一定」「影がない」ので実写と比べると変化が少ないため、動画圧縮の観点で言えば、効率が良いです。

  2. 被写界深度が無限大
    レンズで映像を撮るとピントが合う範囲は限定的です。ピントの合っていない部分が存在する、いわゆる「ボケ具合」ですね。
    これは視覚的に奥行き感が出るので写真を撮る方は頭を捻る部分ですが、バーチャルキャストでは画面内の全てにピントが合います。画面内にぼやけた部分が少ないので、圧縮的には有利です。
    ただ、映像表現としては奥行き感が出にくいので悩みどころです。なので家具の配置などで奥行き感を出す必要があります。

  3. 視聴環境の幅
    これは厳密には圧縮技術ではありませんが、忘れてはならない部分です。
    バーチャルキャスト配信に限らずネット動画は視聴環境がパソコンだったり、タブレットだったり、スマホだったりします。
    このため、視聴画面のサイズが大きい・小さいを考慮する必要があります。
    実写ベースであれば人間の脳みそが見づらい部分を補完することを期待できますが、バーチャルキャストでは期待できません。実写に存在しない映像が多いためです。
    例えば、8等身ぐらいのモデルで全身が映るような映像をスマホで見れば、顔のディテールはかなりわかりづらくなります。スマホのリスナーを想定しないのであれば問題ありませんが、想定するのであれば、考慮する必要があります。

なお、諸々不利になるモデルがあります。それは「ケモ系」モデルです。ディテールは細かい、あちこち揺れる、フレームレートが下がるとふわふわ感が減る、耳が長い場合が多いので全身画面に入れると顔が大きく映らない・・・コンチクショー!

実際の画(え)作り

実際どのあたりに気をつけたほうがいいか解説をします。
あくまでも一例に過ぎませんし、ある程度の法則があるとしても、意外な配置が想定外の良い効果を生む場合もあります。参考程度に考えてください。
なお、バーチャルキャストのモニターと実際の配信画面は「左右逆」なので、配置は実際の配信画面を確認しながら行いましょう。

  1. 人の視線は左上から右下へ動く
    まず、基本の部分です。
    人間の視線、つまり人間の目を引く部分は左上から開始して、右下で終わります。
    これは忘れないでください。



  2. カメラを映したまま動かさない
    画面全体が変化すると動画圧縮では不利です。
    カメラを切り替えて、配信画面に映らない状態でカメラを動かし、動かし終わったら切り替えましょう。

  3. スマホリスナーを考慮するか
    スマホで見ているリスナーを考慮するなら、腰から上が画面内に入るようにしましょう。
    全身を画面に入れると人物のディテールがわかりにくくなります。

  4. 等身が低いほうが有利
    画面全体に対する顔の領域を増やせるので等身が低い方が有利です。
    3等身ぐらいで、カメラを寄らせると良いかもしれません。
    逆に、等身が低いのにカメラを遠くに配置するのは、モデルを認識しづらくなるのでおすすめできません。

  5. 自分と凸者の配置(生主主体)
    あくまで自分が主役!の場合は自分自身を右側に配置しましょう。
    ゲームプレイなら「右下」になります。

  6. 自分と凸者の配置(凸者主体)
    凸者が主役。カフェ系などは自分を左、凸者が右側になるようにしましょう。

  7. 私だけを見て!の配置
    凸者をあまり受け入れず、自分だけを見せたい場合は「胸から上」(いわゆるバストショット)で「正面(リスナー側)」見る、「動かない」。
    フレームレートが低くなっても影響が少ないですし、スマホリスナーまでカバーできるので結構良いかも?
    このタイプは生主とリスナーが「一対一」で話しているような「錯誤」を生みます。
    なお、画面の上端と自分自信の間に拳一個分ぐらいの空間を開けておきましょう。バストショットの基本です。

  8. みんなで雑談(生主対リスナー)
    バストショットで、かつ「配信画面で若干左向き」で自分を写す。
    人間の視線が左上から右下なので、左向きになっていると「視線が引っかかり」ます。
    逆に右向きになっていると視線が右下に流れていしまいます。
    リスナーのコメントに反応するときだけ正面を向くようにすると、画面の変化が出るのでおすすめです。

  9. 凸者交えてわちゃわちゃする
    このタイプの配信が一番多いかと思いますが、圧縮的には不利ですね。流石に。
    せめてアニメーションが入っていない背景を使うぐらいでしょうか。
    あまり広範囲に散らばると、個々のモデルが小さく映ってしまうのでなるべくカメラに近づくように誘導しましょう。
    スマホのリスナーには優しくありません。

実際のところ、追加でデザインに関する知識などが必要とはなりますがほとんどの方は趣味の領域のはずなので、大体コレぐらいでしょうか。
私の配信を知っている方だと「言う割には考えているように見えない」かもしれません。
なぜでしょうか?それは「めんどくさいから考えてない」だけです。
そもそも「演者」「カメラマン」「演出家」を一人で兼用しているんです、かなり無茶なんですよねー。
なので、この文章は参考程度に気楽に行きましょう。


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